1.恋の身の丈

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1.恋の身の丈

五月の終わりも間近、今日は天気が良すぎて暑い。 そのうえ、次から次に運動会の熱気が持ちこまれて教室内はクーラーが入っていても冷えきらない。 とはいえ、暑さのピークはまだこれからだ。 実那都と真弓は机を突き合わせて向かい合わせに座り、ランチバッグを出したところへ、 あちぃー、 と云いながら、航が良哉を伴って実那都たちの教室にやってきた。 巨大な弁当箱が左右のそれぞれ斜め前にどんと置かれる。 当然のように近くの椅子を拝借して、航は実那都の左側に、良哉は右側の椅子に座った。 待ちきれなかったように、いただきます、と各々が口にしながら食べ始めた。
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