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POPに目をやる人はいるが、みな通り過ぎていく。まだ大手をまわっている人が多くて忙しいのかな、なんて考えていた。まわりのサークルも、まったく動きがない。
しばらくすると、情けないが、早くも本を売ることを諦めていた。でも、せめて無料配布本だけでも配りたかった。1部だけでもいい。
携帯電話ショップのお姉さんは、どんな風に話し掛けていた? 道端でティッシュを配る青年は、どうやって受けとってもらっていた? 基本は笑顔で明るく、配布物を手元に差し出していたはずだ。
僕は、「無料です、どうぞ」と声を掛けながら、無料配布本を差し出してみることにした。その結果、10時35分に、人の良さそうな少年が無料配布本を持って行ってくれた。続いて、同47分に2人目。よし、これでいけそうだ。と思い、以後、精力的に配った。
11時10分、髭の生えたイカツイ男性がPOPを見ていたので、無料配布本を渡した。男性は受けとった後も、じっと本のPOPを見ている。本のPOPは価格と内容と分けて、2つ用意した。
長編小説
「アカムとうり」
¥100
世界最強の青年アカム:「悪の魔王になってやる」
余命半年の少女うり:「夢って叶わないのかな……」
二人の求めるモノが重なる時、悲劇が起こる
はい、そこ笑わない! しょうがないの! 夜中に3分で考えたの!
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