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「何が勿体無いの?」
意味が分からなくて眉を寄せて訊き返す。
「顔が良いからさ、あんな不良金髪姿じゃなかったら、モテるだろうにと思って。皆も言ってるし」
顔が良いから勿体無いって、益々意味が分からない。
「どうでも良い」
私は無関心に吐き捨てた。
「紗奈は未だに男に興味が無いのね」
「うん」
だって恋なんて偏差値には必要ない。
「あ!加野さん、来た!昨日の数Aの課題、誰も解けない問題があったんだけど、加野さん解けた!?」
教室の手前でクラスメイトの女子が私達の前に飛び出してきた。
「勿論」
私は得意げに笑顔で返す。
「流石加野さん!解き方、教えて!」
「えぇ」
学生に必要なのは、学力よ。
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