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「今、分かったの?十分前からずっと居たんだけど」
彼は少し不満そうな顔で三メートル程先の門の反対側を指差した。
「そりゃ分かんないよ!」
私は未だに驚いたまま。
だって日下君のトレードマークの金色の髪が、突然真っ黒になっているから。
「加野さんの俺の判断基準って金髪だけなんだ」
その言葉に一気に昨日の罪悪感が私に押し寄せる。
あんなに注意しても一ヶ月以上染め直しても来なかった。
もしかして、私の一言のせいで黒髪に……?
「昨日は、ごめんなさいっ!」
私は頭を一八〇度真下に向けたくらい急角度で謝罪した。
心から反省していると伝わるように。
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