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「もういい。思い出すまで加野さんとは話したくない」
日下君は唇を尖らせたまま踵を返して行ってしまった。
「何、アレ……」
ワケの分からないまま、私は門に取り残された。
「日下君ってカッコイイんだね~!」
「不良かと思ってたら、ただ金髪にしてただけなんだってー!」
金髪から黒髪に戻した日下君を見た女子達が、手の平を返したように彼をチヤホヤし始めた。
「元が良いからねー。入学式の時の黒髪の日下を狙ってた女子、いっぱい居たし」
そんなこと言っていたな。
「そういや、付き合うことになったね、日下と」
なんて思い出していたら、突然由香がワケの分からないことを言ってきた。
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