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「何で?」
頭の上にはてなマークを浮かべる私を見ながら由香は「はぁーっ」と深い重い溜め息を吐いた。
「昨日、日下が黒髪になったら付き合うって約束!」
苛々しながら言われたら、そんなこともあったなと思い出す。
「あぁそれ、絶対冗談だから。今日そんなこと一言も言われて無いし。それよりもテスト週間だよ。一位取れるように頑張らなくっちゃ!」
そうなのだ。
来週には高校初めてのテストが待ち受けている。
「流石中学の時から校内一位の優等生の紗奈ちゃん……。私は赤点を免れるように頑張るわ……」
運動は出来ないが、勉強は大得意な私。
だから日頃から転けまくる自分を卑下したこともなかったのだが……
「嘘でしょ……」
あれから二週間後、廊下の壁に張り出されたテストの順位表の前で私は唖然とするしかない。
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