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「毎朝大変だね、門で立って検査してる風紀委員って」
こっちは苛々して声を荒げて返しているのに、感心した顔で悠長に溢す日下君に益々イラッ。
「大変だと言うなら黒に染め直してきなさいよ!」
「だから地毛だってー」
「金髪が地毛なんて純日本人居るもんですか!って、こら待てー!」
「教室で待ってるねー」
日下君は今日も飄々と門を抜けて行った。
「日下、絶対紗奈のこと好きだよね」
『ドゴッ!』
「痛っ!」
朝のチェックを終えて教室に戻る途中、友人の迷言に驚いた私は壁に旋毛辺りを強打。
「紗奈、ちゃんと前見て歩きなさいよ」
衝突したところを押さえながら痛みに耐えている私に、隣に居た中学からの友人の由香が呆れた顔で私に言った。
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