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「加野さん、毎朝お疲れ様ー。一限目の英語の教科書忘れちゃった。見せて?」
教室に入ると憎々しくなる程の笑顔を携えて私を迎えた日下君。
この男はなんてヤル気がないんだ。
ってか、私のことが好きなワケないでしょ。
こんなヤル気もなくてダラしないとこしか見せてこないのにさ!
「他のクラスの誰かに借りて来い!」
「だってまだ入学したてだし、俺、中学卒業と同時に県外からこっちに引っ越してきたから知り合いいないもん」
そんなの知ったことか。
「違う人に見せてもらってよ!」
「えー、無理じゃん。俺、窓側の席だからお隣は加野さんしかいないしさ」
クソが。
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