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ホームルームが終わると日下君が此方に机をくっつけてきたので、私は仕方なく教科書を広げると私達の机の真ん中に置いた。
「毎日ありがと」
「……」
この言葉通り、この男は必ず毎日何かしらの教科書を忘れてくる。
どれだけ抜けてるんだ。
学校に何しに来てるわけ?
うちって名門校なのに、どうやって入ったわけ?
「授業始めるぞー」
苛々しているところに先生の声が飛んできた。
いけないいけない……最近日下君と関っているとすぐに苛々してしまう。
この男のせいで私の沸点は下がった気がする。
これから授業が始まるというのに、苛々してたら頭に入ってくるものも入らなくなるわ。
私は気を取り直して、日下君を脳から足蹴りして追い出し、授業に集中することにした。
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