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ハサミや包丁が欲しいところだが、子供部屋にそれらは無かった。
仕方なく俺は、でんでん太鼓を手にした。
これでも殴れば大怪我さ。
俺はゆっくりと忍び寄った。
「あれ、いないぞ?」
きょろきょろ周りを見回すと、突然何かが上から落ちてきた。
「うぎゃあ!」俺は呼吸困難に陥った。
ベッドの上から、タカシがボディースラムを食らわしたのだ。
タカシはきゃっきゃと言いながら、今度はプラスチックのバットを持ち出した。
「こ、こいつ。ガキのくせになんて卑怯なんだ!」
俺はでんでん太鼓で応戦した。
バットの先が、俺のおでこを押さえつけ、でんでん太鼓は全然届かない。
でんでん、でんでんと鳴るばかりだ。
そしてバットが何度も振り下ろされた。
「痛っー!あたー!わちゃー!」
俺の目の周りは痣だらけだ。
まあ、パンダだから当然なのだが。
こうなったら最後の手段だ。
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