見栄っ張り

2/2
前へ
/16ページ
次へ
「……おい」 「何」  ばいんばいん。 「てやっ」  バシッ! ごろん。 「やっぱりか」 「いきなり何すんのよ、このバカ!」 「リンゴを詰めてもおっぱいにはならんぞ」 「ちちち違うし! これは……そう! デザート!」 「そうか。ちょうど腹が減った」  しゃりっ、もぐもぐ。 「あー! アタシの擬似おっ……リンゴー!」 「いやもうほとんど言っちまってる訳だが。つか生温いぞ、このリンゴ」 「そりゃ懐に入ってたか、らぁあああ?!」 「今度は何だ」 「アンタ……アタシの肌で温まったリンゴ……!」 「何とも味わい深い」  くんくん、れろれろ。 「嗅ぐな! 舐めるな! 食べるならせめて「だから何だ」くらい意識してないの丸わかりで食べてよ!」 「貧乳とはいえ年頃の女の子の温もりを宿すリンゴ」 「貧乳言うな! アンタ、モテモテでアタシになんか興味無いクセに!」 「いや、無い訳じゃないぞ?」  ぶるんぶるん。 「え……?」  ドッキーン! 「お前みたいな奴は他にいない」 「おい、今どこ見て言った」 「別に他意は無い」 「アンタ今、絶対「そのうちギネスブックに載るかも」とか思っただろ!」 「謙遜するな。ギネスブックどころか歴史書に載るレベルだ。天然記念物として保護してもいいレベルだぞ」 「誇れない! 何そのリアル黒歴史! ていうかアンタこそ謙遜しなさいよ! 何だかんだでモテモテは否定してないじゃない!」 「否定する根拠が無い」  ばっいーん! 「だから胸を張るな、胸を!」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加