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 するとこの決闘もどう転ぶかわからないぞ、そんな気持ちに、ラングは表情を引き締めた。 「よし。三カウントだ」 目線だけ動かして双方を確認する。  男は上着の右裾を捲って銃を抜く感触を確かめた。少年は微かに顎を持ち上げたのみである。  ラングは自分が打つでもないのに、唇をなめて、両手を閉じたり開いたりして、タイミングをはかっている。一度、深呼吸をした。 「いくぞ……。ワン!トゥー!スリー!」 通りをつんざいて、銃声が轟いた。幼気(いたいけ)な少年の最後を見るのが心苦しい、と、思わず目を瞑ってしまった見物人が、恐る恐る瞼を開いた頃、 「ぐわあぁっ」 男が悲鳴を上げた。  一瞬、ラングも目と耳を疑ったが、悲鳴は髭もじゃの中年男の口から発せられたものであり、男の右手からはケチャップみたいに真っ赤な血が地面に流れ落ちていた。少年が勝利したのだ!少年の左手の銃が、相手が銃を抜くよりも素早く、確実に相手の手の甲を撃ちぬいて、男が痛みに膝をついたころに悠々とホルスターに収まった。     
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