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「それにしても先輩、モテすぎですよ。昨日なんかあのジェイドさんとも親しげに話してたじゃないですか! ジェイドさんからもアプローチされてるんじゃないですか?」
「昔されたことがあったけれど、断ったわ」
「え? うそでしょ? 戦闘課のエースですよ! 女子社員から一番人気の!」
信じられないという表情で、私を見つめるリア。
しかしその直後、何かに気づいたのか急に表情が変わった。
何だか……呆れているようにも見えるし、ガッカリしているようにも見える。
「先輩にとっては、男なんて選り取り見取りですよね。もっと良い物件を狙っているわけですか。羨ましい」
そう言ってうなだれ始めた。
「ここだけの話ですけど。私、自分の容姿に自信あったんです。ここに受かった時も、やっぱり私は可愛いんだなぁ~って思って。でも、先輩を見た瞬間に敗北宣言しました」
そんな宣言受けた記憶はないんだけど。
「先輩! お化粧品何使ってますか?? サロンはどちらですか??」
「……特に何も」
「がはっ」
何かを吐き出すのかと思ったけれど、そう言葉を吐いて彼女は突っ伏してしまった。
みんな仕事中ということを忘れているみたい。
とても良い国ね……平和ボケできて。
突然警報が鳴り響いた。
人の行き来が激しくなる。
うなだれていた隣の彼女は、急に緊張の面持ちで背筋を正した。
「……あはは、やっぱりまだ慣れなくて。大丈夫だろうとは分かっているんですけど、何があるか分からないじゃないですか」
「そうね。みんな命をかけて戦うんですもの、私達も仕事をしましょう」
「はい先輩! やっぱり私達みたいな潜力が低い人は、能力が高い人に守ってほしいですよね? 合コンの約束、絶対ですからね!」
リアはすぐに気持ちを切り替えられたみたい。
そんな彼女に、私は静かに微笑み返した。
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