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故郷からずいぶんと遠くまで飛んできた。
林を抜け、広野を越え、今は荒廃した灰色の地上が広がっていた。
倒壊し、朽ちた建物が一面に広がり、まるで灰色の海のようだった。
そこには、お花たちも動物たちも居ない。
どこを見ても、色なんてなかった。
おらの自慢の翼も綻び、羽が抜け始めていた。
抜けていく羽が、夕日の陽光によって煌めきながら粉雪のように降りゆく。
それでも、翼を休めることはできなかった。
生きている意味さえも奪われそうで。
夕日が地平線に近づくにつれ、その陽光も鋭さを増し、眩い光線となって、おらの体を照らす。
飛び続けてきた翼は力を失いはじめ、思うように動かない。
風も上手く掴めない。
だんだんと高度が下がっていく。
虚ろになった瞬間、おらの体は灰色の地上に叩きつけられた。
もう、翼を折り畳むことさえもできない。
上体を起こそうとしても力が入らない。
ギシギシと重い顔を上げると、そこには大きな影がいた。
それはそれは大きな影で、それが、すぐに人間だとわかった。
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