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そう送ってから綾は 弱いなぁ と思った。
龍也ではなく自分が。
ちょっと龍也の自由さに今は振り回されたくないという意味で断っているつもりなのに
文面に『会いたくない』とは書けなかったのだ。
だって、今日言われたばっかりとはいえ
明日から簡単に会える距離ではなくなってしまうのは事実。
そう考えてしまえば 会いたいに決まっている。
ぐちゃぐちゃと頭の中に色んな思いが
駆け巡る中、また受信音が鳴った。
>ほんと無理?
>てかもう
>お前ん所の最寄り駅着いちゃってんだけど
とくっと心臓が動く。
「.....なんでよ」
濡れた髪をかきあげそう呟いた。
会うなんて言ってないのに、
どうして電車なんかに乗ってまで来るのよ。
そんな事されたら、会わないわけにいかなくなるじゃない。
会いたく...なっちゃうじゃない。
もう、ほんとに…
>自由すぎるよそんなの
そして返信が返ってくる前に文字を続けて打つ。
>今、行くから
>少し待ってて
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