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龍也が待っている最寄りまでは
歩いて10分くらい。
携帯で時間を確認するともう日付が変わる数分前だった。
東京とはいえここは比較的静かな所だから
余計にこの時間は人がいない。
サンダルの音を聞きながら
なんとなく夜空に視線をやった。
東京の空に星が無いとは半分嘘で、
でももう半分は本当だと思う。
今、綾の目に星は少ないものの映っている。
小さく消え入りそうだが見える。
だから星が無いとは嘘なのだ。
ただ、星に気づく人が少ないだけ。
真夜中でも明かりが灯っているビルの方が
無意識に人の目を引いてしまっているだけ。
数多の星が見たいなら人は場所を移動する。
よってここには星を求めている人がいない。
その意味で言えば
星が無いとは半分本当でもあると思うのだ。
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