第一章 ブルーな夏休み

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あーあ、明日から夏休みかー。 教室に入るなり私はため息交じりにつぶやいた。 「香苗(かなえ)おはよ!どうしたの、朝からため息なんかついて!」 そう言って私の背中をたたくのは親友の皆川桃(みながわもも)。お日様みたいに明るく溌溂としていてきれいな黒髪が一際目立つ彼女は、水泳部のエースでクラスの人気者だ。 「おはよ(もも)。んー、明日から夏休みだなって思っただけ。」 「なんでそれでため息なのさ。」 「だって今年も彼氏いないまま夏休み迎えちゃうんだもん。」 「なるほどねー。なら夏休み中に彼氏つくればいいんじゃない!あ、先生きた。じゃあね!」 そう言い残して跳ねるように自分の席に戻る桃を見送りながら、もう一度ため息をついて私も席に座った。
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