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「何と、まだ子供じゃないか!『嫁』と聞いたから、てっきり成人しとるもんだとばかり…。ジア、まさかまだ手は出しておらんじゃろうな?」
あ、やっぱりそっち? 此方じゃ二十五歳は子供ってことか。
あと、ガッター爺さん、ごめんなさい。既に手遅れです。
「?成人しているだろう?むしろ、そんなに上だと思わなかったくらいだぞ?」
あれ? 違うの? やっぱ聞いた通り、成人は十五歳ってこと?じゃあ、二十五歳は大人?
どっちよ?
「ふむ?二十五歳じゃろう?」
「あ?二十五歳だろ?」
ん~? 何か、ガッター爺さんとジア、会話が噛み合ってなくない?
「少し確認したいのだが。トウヤ君は今、どういう方法で此方の者達と意思の疏通をしている?」
唐突なセントーラさんの問い。
「今君の話している言葉は、学習して会得した此方の言語なのか? それとも、竜族のように特殊な生体器官によるものか?」
「ぇっと…どちらも、違います…」
というか、竜族の特殊な生体器官って何!?
「ではやはり、貴種の持つ『鍵』の効果によるものか…」
「 っな、何で、知って…」
それ、一応機密事項!此方の人に勝手に教えちゃ駄目なヤツ!
「昔、カヤに教えてもらったのだ」
カヤさんって、昔ここ居た貴種の人?その人『鍵』の事、 言っちゃったの?
あれ? でも、機密事項に抵触する発言は強制停止になって、此方の言葉には訳されない筈じゃ…?
酷い時には『鍵』の強制停止処分もあるとか聞いたけど?
そもそも、数千年も生きてるお爺さんの言う『昔』って、どれくらい前の事?
「あの…その、カヤさんって方が居たのは、どれくらい前の事ですか?」
「カヤか? 大体、二千年程前か…」
二千年…? 彼方と此方の時間軸に、そう違いは無い。世界同士が繋がっている間は。
彼方では、異世界の存在が確認されてからまだ百年も経っていない。
若い頃に異世界研究機関で働いていたという祖母に、聞いた事がある。
彼方と此方の繋がりは、一度切れた事があるらしい。
彼方では数ヶ月後に、また世界が繋がったけれど、その間に此方では数千年が経過していたという。
つまり、カヤさんは最初期に此方に渡航した、研究者の人ってことか…。
「恐らく、ガットとジアヴァイスで言葉の認識が違ったのは、この場所のせいだろう。ここでカヤは『鍵』の調整をしていたらしいからな」
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