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「ま、俺の周辺の奴らな訳ないけんね、大した奴らじゃないったい。」
「それを祈るよ。」
ぽんたが冷静に返す。
ゆったんが淹れてくれたコーヒーに口をつけ、一拍置いて。
「もう少し情報が欲しいな。…3日。」
「「「了解。」」」
3日。
それは3日かけて情報を集め、相手の詳細を固めるという事。
「各々、内通者とか協力者に連絡しとけよ」
「はーい」
「おう」
「だっる」
ぽんたの一言に三者三様に返し、全員が傍らからスマホを取り出して作業に取り掛かる。
俺はその反対の手に、ずっと持ちっぱなしだったスーパーの袋をソファーの上にドサッと置く。
その拍子に、中に入っていた牛乳のパックが露見する。
「ん?なんやあんちゃん、牛乳買ってきてくれとったん?ありがとう。」
「ん?よかよ。今度はちゃんと名前書いとけ」
俺のその一言にせいじはピタッと動きを止めて怪訝そうな顔をして一瞬。
「ってことは俺の牛乳飲んだんあんちゃんかよ!!俺のさっきのありがとう返せ!!」
「返品不可。残念やね~」
「うっわしかもこの牛乳俺のいつも飲んどるやつとちゃうやんけ!めっちゃ温なっとるし!!これ飲めるんか?!」
「せいじなら大丈夫やろ。いけるいける」
「ちょっとぉ!!アンタ達早く仕事しなさいよォ!!」
俺とせいじのやりとりに耐えられなかったのか、ぽんたがダミ声で叫ぶ。
すかさず俺も。
「そうよせいこォ!アンタぎゃあぎゃあうるさいのよォ!!」
「なによアタシが悪いって言うのぉ?!あつこアンタがまずアタシの牛乳飲まなきゃねェ!!」
「…みんな、うるさいでぇ~?」
呆れたようなゆったんの声は、3人には届かなかった。
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