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三島由紀夫は戯曲‘薔薇と海賊’について以下のような解釈を付け加えている。
「‘世界が虚妄だ’というのは一つの観点であり、‘世界は薔薇だ’と言い換えることも出来るが、後者の言い直しはなかなか世間には通じない。薔薇は恒に私たちの視界に咲いているというのに、‘薔薇だ’と言えば少々頭の螺子が外れていると思われ、しかし‘虚妄だ’と言えば哲学者としての尊敬と立ち位置を手に入れることが出来る。これが全くの不合理であるというのは、‘虚妄’という花がこの世に一輪も咲いていないからだ」
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