第1夜「瞬火シンスケ」(ヒト科 ♂17才)
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第1夜「瞬火シンスケ」(ヒト科 ♂17才)

僕、瞬火(またたび)シンスケ(17才)は、もうすぐ死ぬのだそうだ。 遡ること5時間程前、僕は、下校途中にトラックに跳ねられて、意識不明の重体で、ここ「二星総合病院」(にぼしそうごうびょういん)に搬送され ICU で予断を許さない状態にあるらしい。意識不明なのに何故そんなことがわかるのかって? それは、今しがた、意識が戻った、というご都合主義でご勘弁頂けると幸いだ。  僕がトラックにふっ飛ばされる直前、視界に映ったのは、猫。 黄金色に輝く、それはそれは美しい茶トラの猫だった。 「あの時の猫だ!」 僕は、吸い込まれるように、時速 60 キロで走る中型トラック目掛けて突進し、猫を抱えながら、高く高く宙を舞ったのだそうだ。  そして、今に至る。
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