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ショートカットの水色のカツラ、髪と似た色のジャンパースカート。揃いの制服を同様に身につけた数人の中で、その少女はひときわ美しかった。
赤いリボンタイに、白い半袖のブラウス。
白いハイソックスが眩しい。
「あれ、既製服じゃん」
水色の髪の少女は美しさで周囲の視線を惹いていた。そのせいか田辺夕乃は素直に褒める気持ちにはなれず、憎まれ口をたたいた。
平日、昼休み、ではあったが、その日、特別彼女らは外出を許された。隣の高校は文化祭開催中。彼女らの女子校と一年交代で開催されるその年、文化祭を実施しているのは『男子校』の方だった。
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