真夜中の集会

2/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 私はついに友人Aから秘密の情報を手に入れた。今まで何度も教えてくれと頼み込んだが、Aは決して口を割ることはなかった。しかし家の次郎が仲間だと教えるとAはあっさりと口を割った。 「なんだ、同好の士だったってわけか。それなら教えてやる。深夜2時頃、ここに行ってみな」  指定された場所は私の家から徒歩15分くらいにある公園だった。その公園は住宅地にあり街灯も少なく深夜になると真っ暗で、いかにも出そうな雰囲気の公園だった。  まさかこんな近所で行われているとは思いもよらなかった。今夜、早速出かけることにしようと心に決めた。  夜が訪れた。もうすぐ深夜2時になる。私は家族を起こさないようにそーっと忍び足で玄関に向かった。  音を立てないように静かに玄関のドアを開けていると、後ろに気配を感じた。まずい、お母さんか! 深夜に外出しようとしているのをお母さんに見つかったら怒られる。私はそーっと振り返った。  そこにいたのは次郎だった。 「なんだ、脅かさないでよ。次郎も一緒に行く?」  彼は返事もせずに私より先に玄関から外に出ていった。反抗期なのかもしれない。小さい頃はよく一緒に遊んだり寝たりしたのに。  私も覚悟を決めて外に出た。目指すは公園だ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!