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公園は本当に暗かった。街灯もなく、明かりと呼べるのは遠くの住宅からわずかに漏れている照明の光だけだった。
スマホを取り出してライトをつけようと思ったが、こんな暗闇で明かりを灯したら簡単に見つかってしまう。危ない危ない。暗くてもいいからバレないようにしなければ。
最も闇の住人である彼らであれば私がいくら隠れようとしても無駄かもしれないが……。
公園の入口から中に入る。公園の奥の方は広場になっていて、広場の隅には土が盛られており、ちょっとした人工の山になっている。
情報ではあの山の付近で秘密の集会が行われているはずだった。
音を立てないように一歩一歩近づいていく。何かがサッと目の前を横切った気がした。彼らだろうか。
風下から山に近づき、植え込みの影から山の方を見つめる。
闇に目が慣れていく。
果たして彼らはいた。暗闇の中で目を爛々と光らせている。何をするでもなくそこら中にいる。
一見平和そうに見えるが、油断してはいけない。彼らがその気になれば私はズタズタに切り裂かれるであろう。命は大切にしなければ。
しかし本当にこの公園で集会が行われていたとは。私のようなマニアには溜まらない。危険を冒してでも見る価値がある。
ふと気づくと何と集会の中に次郎の姿があった。驚いて思わず「あ」と声が小さく漏れた。まさか本当に次郎が仲間だったなんて!
次郎はすぐにこちらに振り返る。怪しく光る次郎の目がすぐに私を見つけた。
バレる!
次郎は声をあげようと顔を大きく歪めた。
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