全てが仕組まれている

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「仕事をしていても、子育てをしていても理解してくれない男の人が多すぎるのよ。女の人ばかりに色々押し付けて、男が偉いなんて誰が決めたのかしら?しかもね、もっとひどいのは、それに慣れてしまった女性が、それを普通と思ってしまっていて自分の権利を主張できなくなっている子が増えていのが恐ろしくて……しかもね、彼女たちはこの女性が生きにくい時代を仕方ないって受け入れてるのよ?それって、今までの男性至上主義の日本が生んだ最大の被害者じゃない?。」 僕の方を振り向き、彼女はありえないという表情で僕を見据える。 彼女の目は爛々としており、まるで自分以外のもの全てが敵というような表情をしている。 「男の人だってまともな人もいるでしょ?反対に悪女だっているんだし。」 「それって論点が違うわよ、私が言ってるのは全般的な今の女性の現状なんだから。」 ほらこれだ。これがあるから、僕は彼女と話したくない。 どうせ話してもまともな会話にならないのだから。 グラスに入った緑茶をゆらゆらと揺らしながら、僕はふと思い浮かべる。 小さな時から、彼女は僕に対して僕の父親や僕の祖父母にあたる人達への愚痴を僕に聞かせてきた。 いや、それだけでは飽き足らず彼女自身の親、はたまた彼女に関わった人達の事まで僕に愚痴り続けてきたのだ。 一度彼女が僕が小さな時にパートに出た時がある。 女性が働く権利を彼女は声高らかに叫んで働きに行ったが、しかし、彼女は1ヶ月で仕事を辞めてきた。 そして、その理由は上司が女性蔑視だとか同僚の女性達が社会に洗脳されていて向上心がまったくなかったと言う事だったような覚えがある。 なぜ僕がそれを知っているか? それは彼女が僕に毎日それを垂れ流していたからである。     
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