見つからない

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「…ごめんね…ハルちゃん…」 ミナトの小さな手が、私の手をギュッとして。 それで少し冷静さを持ち直した。 …いけない。 今は、この子達に不安を与えないようにしないと… 「いいのよ、ミナト。それより、どこも痛くなかった?」 「うん。大丈夫。」 「良かった。今度から、前をちゃんと見て歩いてね。私も、手を繋ぐの忘れてごめんね。」 カナコとミナトに謝ると、二人はハルちゃんは悪くないよ、と、しっかり手を握ってくれた。 「何か美味しい物買って帰ろうか。」 「やったー。カナコ、シュークリームがいいな。」 「僕もー。」 …今は、忘れよう。 あの人の事は… 一階のケーキ屋に寄って、シュークリームとケーキをいくつか買った。 夕飯の食材も買って、駐車場に向かう。 久しぶりに街に出たらしい二人は、すでにクタクタ。 車に乗り込むと、すぐに大きなあくびをした。 その可愛らしさは、凍り付きそうだった気持ちを包んでくれるようだった。
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