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バイトも休む事になり、武司が電話を入れた。
オーナーはさぞかし慌てた事だろう。
タケシに何か知られたのではないだろうか、と。
そうして、私は一日中家にいる事になった。
姑が良かれと思って話しにやって来るが、迷惑でたまらない。
「こんなに薬をもらったの?」
姑は、処方された薬を見て大声を張り上げた。
「気分が落ち込むのは気のせいだから、薬なんて飲まなくても大丈夫よ。」
病院に行けと言ったのはあなたでしょう?
そう思いながら、私はお茶を入れる。
いったい、何時間いるつもりなんだろう。
「ハルちゃんが元気がないから、タケシまで元気なくなっちゃって。」
そう。
全部私のせいなのね。
「いっぱい食べて、早く元気になってちょうだい。」
それで治るなら、吐くほど食べてるわ。
お節介はやめて。
もう来ないで。
笑顔も作れない私に、姑は困っていた。
一言も発さない嫁に対して、何を言ってやろうか、と、考えを搾り出しているようだった。
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