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みんな嫌い
「ハル…明日一緒に病院に行かないか?」
夕食後、タケシが私をソファーに座らせてそう言った。
「…病院?何の?」
「最近、うつろな目をしてるし、食欲もない。話してても急に眠るし…」
「話してて急に眠る?私が?」
「心配だから、明日一緒に病院に行こう。」
「イヤよ。私は大丈夫。」
「ハル。」
「お義母さんに言われたの?」
「確かにおふくろにも言われたけど、俺はおまえが心配なんだよ。」
タケシは優しく私を抱きしめてくれた。
人の温もりが久しぶりで、涙が出てしまった。
「…どうした?」
「私…壊れそうだわ…」
気付いた。
今まで強がってきたツケが、一気にやって来た感じだ。
何も怖くなかったのに。
全てが敵であっても、何も怖くなかったのに。
毅彦さんと女の修羅場を見た日。
家に帰ると、タケシが書き置きをして出掛けていた。
それがまた、私にダメージを負わせた。
なんで書き置き?
メールとか電話とか、どうして…
カナコ達の前だから、笑顔で耐えた。
私には、誰もいない。
そう思えて、そこから…私の精神状態はおかしくなり始めた。
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