田中サイド

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「くそっ! ここまで解体したのに、まだ2本残ってやがる」  俺の手元には時限爆弾がある。ほぼほぼ解体できたが、まだ赤色と青色の線が残されていた。  じんわりと額に汗がにじんだ。残り時間はもう少ない。 「落ち着け田中。まだ5分ある。冷静になればどちらがダミーか分かるはずだ」  俺の目を見つめて木村先輩が優しくアドバイスをくれた。俺は落ち着きを取り戻して、もう一度時限爆弾の中身を食い入るように見つめる。  赤と青、どちらを切ればいいんだ! 間違えたほうを切ったらおしまいだぞ!!  何度も見返すが巧みに偽装されているようだ。全く分からなかい。  クソ! 犯人め、一体何が目的だっていうんだ。こんな廃ビルに爆弾なんか仕掛けやがって。  誰もいないのが幸いだったが、このままじゃ俺と木村先輩は死んじまう。  もう爆弾を放って逃げるには時間も足りない。  どうにか爆弾を解除しなければ!!  ふと今朝テレビで見た星座占いの結果を思い出した。 「今日のあなたのラッキーカラーは……」
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