石造りの隠れ家

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アルフィナの問いにキッドは首を横に振った。質問の内容にあまり興味がないようで、アルフィナの顔も見ずにパンを食べ続けている。 「魔法なんて呼べるようなものじゃないよ」 「よく言いますこと。あなたのが魔法でないなら、(わたくし)の炎なんてマッチと同じね」 メアリーが冷たく言ったが、キッドはそれを無視した。 「レディ、きみは?」 一言喋るごとにパンが消えていく気がする。アルフィナはキッドの手元を見るので、少し反応が遅れた。 「あたし?」 アルフィナの祖父母がそっと視線を交わすのを、キッドもジェシーも見逃さなかった。
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