おまけ:みんなの女神ばあちゃん

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 俺は佐々木タカシ、40歳だ。「たかちん」というペンネームで同人活動を始めてかれこれ20年ほどになる。  今年も無事にコミケにサークル参加することができた。  隣のスペースでは「つぶあん」さんが設置準備をしている。長年活動しているとジャンルが変わることが多々あるが、つぶあんさんとは不思議とその度に一緒になる。毎年挨拶する程度であまり多くの言葉を交わしたことはないけれど、俺は彼のことを戦友のように感じていた。  一般参加者の入場時間になった。周囲が慌ただしくなる。  毎年閑古鳥を鳴かせている俺とつぶあんさんは涼しい顔をして、まぁ楽しもうやと無言で微笑みあった。  しばらく人の波を眺めていたら。彼女がやって来た。 「また会ったねたかちん。元気そうだね」 「こんにちはおばあちゃん」 「おやまた隣なのかい、つぶあんちゃん」 「こんにちは」  話しかけてきたのは80歳くらいに見えるシワシワの老婆だ。足腰が弱っている様子はなく、年寄り臭くも若作りにも見えない自然な身なりをしている。  彼女は俺が同人活動を始めて間もない頃から俺のことを気にかけてくれている(どうやらつぶあんさんも同様の付き合いのようだ)出会った頃から見た目がほとんど変わっていないが、一体本当は何歳なんだろう?
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