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「なぜ、こうなるのか?」
そう呟いたのは、意外にも礼門だった。一生によって無理やり海パンを履かされ、砂浜に放り出された。そして今、パラソルの下でかき氷を食べている。が、現状を受け入れられないらしい。
「すみません。俺がうっかり海に行きたいって言ったばっかりに」
横で同じくかき氷を食べる侑平は、そう謝るしかなかった。きっかけを作ってしまったのは自分だ。
「いや。いいんだけど……」
さすがに侑平のせいには出来ない礼門は、それでも目が海辺に向いている。
その視線の先、海辺近くの浜辺では、一生たちがビーチバレーに夢中だった。メンバーは一生と弥勒、それに秋光(住職)に薬師如来(ご本尊)、それとーー
「なぜ、彼女たちまで?」
礼門ははぁと深いため息だ。
「薬師さんが呼びました」
侑平も思わず遠い目をしていた。そう、いつものメンバーに加わる、三人の水着美女。そこらのグラドルなんて霞む、ナイスバディの女性たち。
彼女たちこそ、薬師如来が言っていた宗像の三女神たちだ。宗像大社のご祭神たちである。三人の名前は、タゴリヒメ、タギツヒメ、イチキヒメだ。漢字は難しいので省略。
「あの人も、すぐに悪ノリするようになった」
「すみません」
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