熱帯夜

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 悠斗がしばらく見ていると、女は、駅の方へ歩き出した。  悠斗は、考えすぎかと思い、また眠りについた。  翌日は、さらに熱帯夜となった。  悠斗は、エアコンの修理を頼まなかったことを悔やんだ。  明日は、必ずどこかの業者にエアコンを見てもらおうと思う。  ふと思い、また悠斗は、窓から下を見てみた。  誰もいなかった。  気にしすぎか……と思ったその時、昨日と同じ格好をした女が向こうから歩いてくる姿が見えた。  思わず悠斗は、カーテンを閉じた。そして、ほんの少しだけ開き、隙間から下を見た。  女は、いなかった。どうやら通り過ぎたようだ。  悠斗は、ほっとしたがやけに喉が渇いた。  何か飲もうと冷蔵庫を開けると、なにもなかった。そういえば、昨日、水を飲んだ時に、もう何もないから買わなくちゃなと思ったのだった。  時計を見ると、ちょうど十二時だった。水道の水を飲んでもいいが、眠れないこともあり、悠斗は、徒歩五分のコンビニに行くことにした。  悠斗のマンションは、エレベーターがない。だが、三階なので重い荷物でもない限り、そう困ることもない。悠斗は、下だけデニムに穿き替えると財布を尻ポケットに入れ、部屋を出た。  どうやら外の方が、多少風があり涼しいようだった。     
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