「宿命のあだ名」

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もなみ 「た、隆道(たかみち)…」 もなみを待ち伏せていたのは、もなみの彼氏の輪島(わじま)隆道だった。 隆道 「ここにいたらもなみに会えると思って」 もなみ 「何それ、てか仕事は?」 隆道 「今日はもう切り上げたよ」 お互いに早上がりしてしまった2人は、とりあえず食事に行こうということにした。 もなみ 「ねぇ、どこ行くの?」 隆道 「この通りの突き当たりにさ、美味いきゅうりの古漬けを食わせてくれる飯屋があってさぁ」 もなみの目が、急にキラキラ輝く。 もなみ 「すごい、めっちゃ食べたいそれ!」 隆道に連れられ、もなみは彼のオススメの飯屋に入った。 もなみ 「うっひゃあー。時代を感じるわー」 隆道 「だろー、でもこれがいいよなー」 もなみ 「私、切り干し大根とアジの開き!」 隆道 「俺は鮭の西京焼きと味噌田楽ね」 そう言って、2人は料理に舌鼓を打っていたのだが、ふいにもなみが話し出した。 もなみ 「私って、25歳のわりにやっぱ老けてるのかなぁ…」 隆道 「んなことないよ。年相応だって」 もなみ 「そうかなぁ。周りに熟女なんて言われてるんだよ?」 隆道は、もなみの話を楽しそうに聞いていた。
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