「宿命のあだ名」

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隆道 「ってことはさ、それなりに落ち着いた物腰でいられるってことだろ?それはほかの25歳の女性にはできないことかもしれないぜ?」 隆道は、大手広告代理店「電報堂」の営業マンをしている。日ごろのセールストークとも取れる言動ではあったが、もなみにとってはその言葉ひとつひとつが癒しであった。 もなみ 「隆道にそう言われるとさ、なんか安心するっていうか・・・明日からまた頑張ろうって気になるね」 隆道は、もなみのうれしそうな声を聞いてまんざらでもない表情だった。 もなみ 「ありがとう。最近気になって気になってどうしようもなかったんだけど、おかげで気にするような大したことじゃないって思えたから。ほんと、今日隆道とごはんに来てよかった」 もなみは、安堵した表情で食事を続けた。 隆道 「いや、ほんとのこと言っただけだからさ。もなみは、もなみのままでいいんだよ。周りの言うことなんて気にすることないからな」 そう言って、隆道も食事を堪能した。 そうして空が暗くなりかけたころ、2人はお互いの仕事のさらなる前進に向けて歩み続けることを確かめ合いそれぞれの家路へと歩き出した。 もなみ 「明日からまた、頑張らなきゃね」
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