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能代家は、もなみのほかに気は優しいがカタい父の賢太郎(けんたろう)、おおらかで懐の広い母の鈴子(すずこ)、父に似てカタめでおとなしい弟の浩一(こういち)がいる。
もなみ
「ただいまー」
鈴子
「おかえり、今日なんか早いわね。あら、ごはん食べてきたの?」
もなみ
「あ、ごめん。隆道に会っちゃって、済ませてきちゃった」
鈴子
「そうなの、まあいいけどね。急だっただろうから仕方ないけど。わかってるときは連絡しなさいよ」
もなみ
「うん、本当にごめんね。母さんには迷惑かけっぱなしだね・・・」
鈴子
「別に、いまさら始まったことじゃないし」
もなみと鈴子は、そう言って談笑していた。
浩一
「ただいま・・・あれ?姉さん、早いんだね今日は」
もなみ
「浩一、おかえり。そうなのよ、ちょっとね」
鈴子
「浩一、おかえり。先にお風呂入っちゃいなさいよ」
浩一
「父さん怒らないかな?」
賢太郎
「そんなことで父さんは怒ったりせんぞ」
浩一
「うわ!父さんなんだよ、帰ってたのかよ」
賢太郎
「ちなみに父さんはもう入ったからな(笑)」
浩一
「なんだ、じゃあ入ろうかな」
浩一は、仕事のカバンを置くと風呂場へと急いだ。
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