「宿命のあだ名」

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話し込んでいるうちに、頼んだ料理が運ばれてきた。 「お待たせいたしました。チーズインハンバーグAセットのお客様・・・」 あかね 「あ、私です」 「こちら、フライ3種盛りBセットのごはん大盛です」 あずさ 「はい、それ私です」 2人はそそくさと料理を受け取ると、食べる体勢に入った。 そこに、後から料理が運ばれてくる。 「えー、金目鯛の煮付けと麦とろろ御膳のお客様・・・」 もなみ 「ありがとうございます、私です」 そう言って、もなみは店員が料理を置いた後に会釈をした。そして、静かに両手を合わせて目を閉じた。 もなみ 「いただきます」 もなみは、まるで最初から骨しかなかったかのように金目鯛をきれいに食べ、麦飯に静かにとろろをかけておだやかな表情で口中にかきこんだ。 もなみ 「あー、美味しいわー。あれ?2人とも私より先に来てたのに食べないの?せっかくのお料理が冷めてしまうわよ?」 あずさ 「あ、はい・・・すみません」 あかね 「いただきます」 もなみは、自分の立ち居振る舞いを他人に強制したりはしない。だが、周りからすればもなみのやっていることがいまどきにしては珍しくて見とれてしまうのだった。
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