「宿命のあだ名」

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それは、仕事の中でもいかんなく発揮される。 「ちょっとぉ!いつまで待たせんのよ!」 50代ぐらいの女性客が、前橋に文句を言っている。 前橋 「すんません、もう少し待ってもらっていいっすか?」 「あんた、それが客に対する態度なの?ちょっと、責任者呼びなさいよ!」 そこに、もなみがどこからともなく現れる。 もなみ 「お客様、大変申し訳ございません。当店の従業員がご迷惑をおかけいたしまして・・・」 「あんた、責任者なの?まあいいわ・・・私さっきから冷蔵庫を探してるんだけど・・・」 もなみは、寄り添うように客を冷蔵庫売場へと誘導した。 もなみ 「お客様、お待たせいたしました。こちらが家電売り場、冷蔵庫コーナーでございます。ただいま当店で売出し中の冷蔵庫は・・・」 もなみの接客に、女性客もすっかり機嫌を直したようだった。 もなみ 「実は一部のお客様しか案内していない、より高性能の冷蔵庫がこちらの奥にございまして」 「あら、それいただこうかしら!あなたって商売上手ねぇ」 もなみ 「お買い上げいただけるのですね!ありがとうございます!ではこちらの商品についてくるオプションなどについて、あちらでご説明させていただきたいのですが・・・」
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