「宿命のあだ名」

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ある日のこと、もなみの同期であった島原晴人(しまばらはると)が名古屋の熱田店に異動となった。 島原 「はあ、まさか名古屋に異動とはな」 もなみ 「島原クンなら、すぐに戻ってこれるよ」 島原 「よく言うよ。能代みたいにトップセールスずっととれるやつと一緒にすんなよ」 そこに、同じ同期の高松花実(たかまつはなみ)が割り込んできた。 高松 「そうよ、能代は成績優秀だから。自分が異動になる心配なんてないものね」 もなみは、高松の言葉に少しばかり怒りを覚えたが、ぐっとこらえたのだった。 高松 「そういうとこも気に食わないのよ!怒りたいなら怒ればいいのに。思えば能代とケンカなんて一度もしたことないわね」 もなみ 「ケンカなんて、する必要ないじゃない。話し合えば、きっとお互いに理解できるよ?」 そんなもなみの姿を見て、高松は毒気を抜かれてしまった。 高松 「はあ、もういいわ。あんたとはずっとこんな関係なんでしょうね。もう、本当に同い年と思えない熟女っぷりだわ」 もなみの顔に、一瞬どよめきが走った。 もなみ 「はあ?花実いまなんて言ったぁ?」 高松は、今まで見たことのないもなみの形相に、その場でへたり込んでしまった。
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