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「――姉さん!?」  洗面所の前で、ぐったりと力尽きて倒れている藍子の姿があった。 「姉さん、大丈夫!?」  声をかけても反応がない。それどころか身体が異常に熱い。  どきん、と、心臓がいやな音を立てた。  ――何が、起きてる?  頭が、混乱の渦に飲み込まれていく。  ――救急車、そうだ……救急車呼ばないと。  はぁ、はぁ、と蒼の呼吸が荒くなる。  ――姉さんは、大丈夫なのか。  目の前が、急に真っ黒になった。  ――も、もし……姉さんまでいなくなったら、俺は……。
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