エピローグ

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***  控え室においでよ、と郵送されたチケットと一緒に手書きのメッセージも同封されていたので、その言葉を信じて、舞台終了後、裏口に向かうと、スタッフにすんなり通されて、二人は、青木ゆうの控え室に入った。  青木ゆうは、姉弟の姿を見ると 「あぁ、こんにちは」  と、淡々と言った。実に七年ぶりの再会だった。 「お久しぶりです」と、蒼が挨拶をした。 「久しぶり、弟くん。藍子さんも、お久しぶり」  藍子は、はい! と元気よく笑って、ぺこりと頭を下げた。今日は朝から青木ゆうに会えるという興奮を抑えられなかったようで、目はきらきらと輝き、いつもより数段メイクが濃く、おまけに鼻息も荒い。 「それで、今日は――旦那さんも一緒なんだね」  青木ゆうが、ちらりと藍子の手元を見て言った。今日は、聖の遺影を持ってきていたのだ。記念すべき青木ゆうの主演舞台。しかも今回は彼が舞台監督やプロデュースも務めた大作だ。きっと生きていたら、聖も一緒に観に来ただろうから――と、藍子が提案したのだった。
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