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とりあえず、私とノアは、私の家に帰ることにした。
家の中は真っ暗で、私は電気を付けながらリビングダイニングに入った。
「家には誰もいないのか?」
「ええ、パパもママは一週間前にこの家で死んだわ」
「つい最近だな」
「私も死ぬはずだったの」
「どういう事だ」
「家を密閉して、毒ガスを充満させて家族三人で死のうって。でも、私だけ死ねなかった」
「無理心中か」
「・・・」
黙って頷いた。
私のパパは地元では結構有名な会社の社長だった。
私も結構裕福な暮らしをしていた。
でもその内側はボロボロで、ウソをついて業績が良いフリを何十年もしていたそうだ。
それが内部告発でバレ、生活もままならなくなった両親は無理心中を決断した。
「そうか。ところでお前、好きな食べ物はあるか」
「え?」
「好きな食べ物だよ」
「そうね・・・唐揚げ?」
「よし。買い物に行くぞ」
「えっ!」
彼は私の手を引き、外に出る。
「どこに行くの?」
「スーパーだ。唐揚げをつくるんだよ」
「えええ」
私は戸惑いながらも手を引かれるままスーパーについていった。
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