★地球最後のお手伝い★

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とりあえず、私とノアは、私の家に帰ることにした。 家の中は真っ暗で、私は電気を付けながらリビングダイニングに入った。 「家には誰もいないのか?」 「ええ、パパもママは一週間前にこの家で死んだわ」 「つい最近だな」 「私も死ぬはずだったの」 「どういう事だ」 「家を密閉して、毒ガスを充満させて家族三人で死のうって。でも、私だけ死ねなかった」 「無理心中か」 「・・・」 黙って頷いた。 私のパパは地元では結構有名な会社の社長だった。 私も結構裕福な暮らしをしていた。 でもその内側はボロボロで、ウソをついて業績が良いフリを何十年もしていたそうだ。 それが内部告発でバレ、生活もままならなくなった両親は無理心中を決断した。 「そうか。ところでお前、好きな食べ物はあるか」 「え?」 「好きな食べ物だよ」 「そうね・・・唐揚げ?」 「よし。買い物に行くぞ」 「えっ!」 彼は私の手を引き、外に出る。 「どこに行くの?」 「スーパーだ。唐揚げをつくるんだよ」 「えええ」 私は戸惑いながらも手を引かれるままスーパーについていった。
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