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二〇〇八年、八月十三日、僕の七歳の誕生日。
青い海が赤くなった日。
僕が
死んだ日。
僕の名前は綾瀬海。16歳のごく普通の高校生…に、なるはずだった。あの日。僕は死んだ。家族と一緒に。でも正確には死んではいない。僕はまだ、この世界で生きている。
すべては人間の、機械の、科学のおかげなんだけど。
僕はまだ生きている。
あの日僕は、家族と一緒に海に落ちて、一緒に死ぬはずだった。
一緒に赤い血を流し、海を赤く染めるはずだった。
だけど神様は、僕を一人この世界に残した。
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