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そして突然瞬を抱きしめる。
瞬はびっくりして固まるとリチャードは何処を見るでもなく遠くを見つめて叫んだ。
「お前がグズグズしてるなら俺がもらっちゃうよー」
「誰に言ってるんだ?リチャード」
リチャードの言ってる意味が分からず首を傾げていたら第三者の声が聞こえた。
透き通る美しい低音の声を聞くだけで胸が高鳴る。
瞬は扉の方に顔を向ける前にリチャードが瞬から離れていった。
…というかリチャードの肩を掴み瞬と引き剥がし胸ぐらを掴み壁に押さえつけていた。
その衝撃で埃がリチャードに被る。
あまりの早業にボーッと見てる事しか出来なかった。
「げほっ、げほっ、意外と早かったな…軍事会議は終わったのか?」
「…あぁ、お前は副団長だよな…何故ここにいる?答えによっては許さない」
「ぐっぐびがっ、じまるぅぅ!!!」
リチャードの首を締めながらハイドは睨んでいた。
今日は軍事会議で昼には終わると聞いていた。
待ってる間に本を読んでいたらすっかり昼の時間になってる事に気付かなかった。
一緒にお昼ごはんを食べようと約束していた。
もしかして浮気を疑われたのだろうか、だったらさっきのは誤解だとハイドの服をちょんちょんと引っ張る。
ハイドはこちらを見てさっきの怖い顔なんて幻だったのかと思わせるほどの美しい笑みを向けていた。
「瞬、待っていてくれ…コイツを始末してから一緒に昼飯にしよう」
「ちょっ!!英雄様!?何言ってんの!!」
「……うるさい」
ハイドはまたリチャードを睨み緩んでいた指に力を入れて再び首を絞める。
リチャードの顔が青くなってしまい、このままじゃ本当に死んでしまうと思いハイドの手を包み込んだ。
すると、あっさりリチャードを解放した。
ハイドとリチャードのコレはいつもの事だがハイドが自分を見てくれた事に嬉しくなり手を握り合う。
ハイドの手が少し冷たくてギュッと握り暖める。
お昼ごはんを食べた後も仕事が残ってるから頑張れるように手をマッサージする。
ハイドも瞬の手を包み込み手のひらに口付けた。
リチャードはズルズルと床に座り咳き込んでいた。
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