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「グミ以上クッキー未満」
これが俺のなかでの最適解だった。
「好きか嫌いで聞いてるんだけど?」
声色を一段低くして再度答えを求められる。詳しく言ってあげたつもりなのだが。
「まあ……好き?」
「何で疑問形?まあいいわ」
「それだけ?」
「それだけ。もうどっか行っていいよ。ばいばい」
知っているが扱いが酷い。ばいばいというよりシッシと追い払われている感がすごい。
まあいつものことなので特に気にせず部屋を出ていった。何でまた急にチョコレートなんか……。
「悟、悩み事?」
いつの間にかこのシェアハウスの住人の一人、勇也が近くにいた。
「ん?ああ。奏にチョコレートが好きかって聞かれてな。何でかなーって」
「……悟ってさ、鈍感くん?チョコレートたす2月といったらバレンタインしかないでしょう!?いいなー。チョコレート欲しいなー」
そういって優也がすり寄ってくる。寄るな、それにお前気持ち悪いぞ。
「チョコレートぉ。食べたいぃ」
「チョコレートなら冷蔵庫にいっぱい入ってたぞ」
「僕は、チョコレートという愛が欲しいの!冷蔵庫は愛の生産も保存もしてくれないの!」
「はぁ……」
何をいっているのかさっぱり分からない。この後バレンタインの素晴らしさとか、自分が求めるバレンタインの未来だとかなんとか長く話された。
なぜか、凄く勇也を憐れに感じた。
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