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「彼奴! 中々捕まんねーな。なあ少しくらい傷つけてもこっちには優秀な医術師がいるから大丈夫だよな?」
「多少の傷くらい大丈夫だろ。あのお嬢様に気づかれなければな……どうせなら深い傷負わせて逃げる速度を半減させてやりたいくらいだ」
その話し声を聞いた途端、僕は自分の判断が正しかったことを確信し、絶対に逃げ切ってやると意気込んで逃げ続けた。
僕はその後も家の塀や誰も通らなそうな人気の少ない路地裏などを、そんな道を選んで逃げた。2度目の銃声が聞こえたけど、僕は銃弾を交わして何とか逃げ延びたんだ。そして僕は夜の住宅街へと繰り出して行った。そこなら銃声が聞こえると警察が来てあの二人が捕えれられると思ったから。でも、男達は発砲はせず何しろ諦めが悪い。逃げても逃げても僕を追ってくる。その状況に対して僕は嫌気がさしてきたけどここで捕まったら契約をさせられるそれだけは嫌だと思っていたから、僕は気力だけを頼りに逃げるしかなかった。
そんな時僕の頭の中に少し不安げなけれど声質は凛としているイメージの女性の声が響いてきた。
"私はこの国の女王です。貴方を助けてあげましょうか? その代わり、私のお願いを聞いていただきます。これは命令です"
その言葉を聞いた瞬間僕は一瞬迷ったものの気づいたらこう答えていた。
`それ僕に拒否権ないよね? 助けて欲しいけど……君の願いは聞きたくない! なんか面倒くさそうな予感がするからね’
僕がそう伝えると残念そうな声がまた響いた。
"それは残念ですね……逃げ道を教えて差し上げようと思いましたのに……"
その言葉に気を取られていた僕は1人の男がナイフを出して襲いかかってきたことに気づかなかった。僕が気づいた時には避けられない所までナイフが迫ってきていてなんとか避けようとしたものの僕の右足を深く抉った。その行為に対して少女の非難する声が聞こえてきた。
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