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「それはやりすぎよ! 私はその猫を無傷で捕まえたかったのに……怪我をさせるなんて有り得ない! 貴方達、いったいどういうつもり?」
「怪我は治せるじゃないですか? 家には優秀な医術師がいるんですから」
そう言うと彼女は彼等を怒鳴りつけた。
「そういう問題じゃない! そんなことしたら猫が可哀想じゃない……」
そう言い争っている隙に、僕は脚を庇いながら走り出した。すると、また声が聞こえてきた。僕はこんな時に誰なんだと思いながらも耳を傾けた。
"私なら貴方を助けられますよ? 逃げ道を教えられます! それに血が危ないようでしたら輸血もできます"
そう宣言されたので、僕は輸血の誘惑に負けその声に頼ることにした。
その声の主である女王が言うことにはこの住宅街を真っ直ぐ行くとリーヌ川、という川があるらしく、その川沿いを50m進んで川を渡ってまた真っ直ぐ進むとミスト山脈、という山が見えてくるみたいだ。その山を越えると、麓に闇の森があってリーヌ川からミスト山脈まで約500mあるようだ。ミスト山脈から闇の森までは20m程で闇の森は闇の精霊の管理下にある場所で、その闇の精霊が10年に1度移動する為に開く扉があるらしい。その扉は開いている時間が短いのため、今すぐに行かないと間に合わない可能性があるということだった。
そして女王にこう言われた。
"これだけのことをお教えしたので協力してくださいね?"
僕は面倒くさいことになったけど、ここまで教えて貰ったし、輸血もしてもらえるみたいだから協力しようと思い女王に伝えた。
`分かったよ。協力するよ……っていうか初めから拒否権なかったし……でもその前に説明意味わかんなかったんだけど! そんな何メートル先とか言われてもわかんないよ! 目印とか言ってもらわないと´
“そう言われても困りますね。これが私の説明の仕方ですから……そういえば部下に説明に不向きと言われた記憶が……”
`あるの? なんで説明するときだけ部下に代わらなかったの? もういいよ君に頼むのは、これっきりにする。もう君には絶対頼まない。それに僕が、怪我したのは君のせいだからね? 君が話しかけてなければこんな怪我負ってなかったんだから! 輸血は当然だね! でも君は遠隔操作魔法で治療出来ないんだね……僕の友達の契約者はできるのに´
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