第1章 猫の冒険と女王の憂鬱

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そう呟くと女王は驚いたような声を発し、その人物について知りたそうな声音をしていた。そしてこんな話を持ちかけてきた。 "その人物について、教えていただけませんか? その人物は、有名な結界師であることそれ以外の情報は今のところ私の元には届いていません……これはどういうことか教えて貰えませんかっていうか教えなさい。" そう矢継ぎ早に質問を投げかけてきた。 `そんなこと僕が、分かるわけないじゃん……それに君に教える訳ないでしょう? そんな命令口調で言われても答えられないよ……でも、君は名前だけは知ることが出来るかもしれないね! ただ情報を、集めるにしても彼女に関しての情報は少ないよ。だから、集められるといいね。それと僕はこれから逃げることに、集中するからそのなんて山だっけ? まあいいや、その山越えたらこっちから話しかけるから、それまで話しかけてこないでよね! ああそうだ、途中で輸血の可能性もあるからしっかりと準備しといてよ?  種類はペルシャだから血液型はB型。まあ、この位物知りな君なら知ってると思うけどね´ 僕はそう一方的に告げると逃げることに集中するため、リーヌ川へと向かって走っていった。そして脚を庇いながら、家の屋根などを走りそのまま川沿いを進みリーヌ川へと飛び込んだ。そして溺れそうになりながらもなんとか川を泳ぎきり、山の頂上まで来た瞬間、僕は目眩を感じ倒れそうになり限界が近いと感じた。だから、女王にこう呼びかけた。 `ねえ! 悪いんだけどさ……輸血してくれない? 多分そろそろ限界´ そう伝えると女王は予想してたかのように答えた。 "そう言われると思ってい準備していました。それではこれより遠隔操作魔法を用いて輸血を開始します。『アリーナ・べルーカ』" そう女王が唱えると、血が身体全体を巡っていくようなそんな感覚に陥った。そして僕は素っ気なく言った。 `ありがとう、もう多分大丈夫。君の願いをいいなよ。仕方ないから聞いてあげる´ そう告げると女王が呆れたように笑うのを感じた。僕はそれを感じながらその願いを山を越え、闇の森に向かいながら聞き取っていた。
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