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それからは、常にエマーを模範として朱里は行動してきた。
エマーの見返りを求めない善行をおこなう生き方に朱里は感激し、自分も常日頃からそのような行動を心がけてきた。
たとえば、校庭や廊下に捨てられているゴミを誰も見ていなくても拾ってゴミ箱に捨てたり、雨の日に傘置き場に傘が散乱している状態を整理整頓したりするなど、誰に感謝されることでもないことでもやってきた。
他にも、誰かのためにしたことでも、自分がやったとは言わず、気づかれなければそれでいいというように、誰かのためになる行動もしてきた。
学校の中だけでなく、そのような行動を自分の負担にならない程度で、できる限りやっている。
誰かのためにやった行動でも、それを相手に伝えない朱里の行動のほとんどは、誰にも気づかれないことが多いけど、たまに気づいてくれる人もいる。
また、教室や誰かが見える場所でも善行をおこなっているので、それを見かける人は多く、朱里の人柄の良さは多くの人が知っている。
朱里は友達が比較的多いが、中でもお互いを親友と呼べるほど深い絆にある人間が現在2人いる。その2人は朱里の誰にも気づかれないような誰かのための善行を偶然見かけたことによって、友達となり、やがて親友となった。
親友である森本依子(もりもとよりこ)は朱里と同じ平凡な顔の少女で、おとなしい控えめ系の女の子だ。もう一人の親友である真野詠美(まのえいみ)はクラスのマドンナ的な美しさをもつ少女で、ギャル要素を少しもっている派手系の女の子だ。
3人はお互いの家に泊まったりして、必死に勉強を教え合い、3人とも同じ高校に入学した。
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