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帰りの運転はマコト。俺は助手席からハンドルを握る左手を見つめ、ああ色っぽいとドキドキする。タコがいっぱい出来てる自分の手と違って、マコトの手は凄く綺麗だ。
「やっぱアスリートってスゲー。V6気筒まじヤベー。加速が滑らか過ぎて震えるー」
「この車、アスリートって名前なの?」
「よく迎えに来れたな」
だって電車だと人がいっぱいだから。
早く二人きりになりたかったから。
ハンドルを右手に持ち替えて、左手が伸びてくる。指先にそっと触れるとやっぱりぎゅっと握り返され、マコトがここにいるんだと実感する。
「ハルマ、仕事片付いたよね」
「うん」
「じゃあ泊まれる?」
「家の人、待ってないの?」
「明日帰る事になってるから」
「うん………」
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